ジム開業で必要な内装費の相場は?節約方法なども公開
ジムを開業する際には内装費が掛かります。誰かから既存のジムを譲り受ける形でない限り、内部のデザインを変えたり必要な設備を整えたりと様々な内装工事が必要だからです。
物件の敷金・保証金と同じく内装費についても相場を把握していないと、予算不足に陥る場合があります。想定以上の経費が掛かり、トレーニングマシンを購入する費用が十分に確保出来ない事態も考えられるでしょう。
内装費の内訳を知った上で、節約する方法についても学んでおく事が重要です。ジムを開業する際に掛かる内装費と節約する方法についてチェックしていきましょう。
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ジムを開業する際に掛かる内装費
ジムを開業する際に掛かる内装費の相場を把握しておく事は大切です。ジムの規模や地域によって差は出てきますが、ある程度の相場を把握しておけば割高な業者に依頼する事を避けられるでしょう。
また、ジムを開業する際に掛かる内装費は、1種類と言う訳ではありません。壁紙の交換や家具の設置などジム内のデザインに関わる物から、電気工事や水回りの工事などジムの設備に関わる物まで様々な種類があります。
ジムによっては必要のない内装費もありますが、存在を知っておいて損はありません。後々ジムの規模を拡張したい、あるいはもっと大規模なジムを開業したい時などに役立つ可能性があります。
ジムを開業する際に掛かる内装費の相場や具体的な内訳は、以下の通りです。
ジム開業に掛かる内装費の相場
ジム開業に掛かる内装費は、業者やジムの広さによってバラつきがあります。ただ、1坪につき10〜30万円程度掛かる事が多いのです。
つまり、40坪のスポーツジムを開業する事を考えた場合、400〜1,200万円程度の予算が必要になります。しかし、この金額はスポーツジムとして最低限のスペースを確保するための物です。
エアロビクスやヨガのレッスンを行うスタジオを用意したり、テニスコートを整備したりする場合、もっと多くの予算が必要になる事もあるでしょう。逆に節約方法を駆使すれば、相場より安い金額で内装工事を完了出来る場合もあります。
パーソナルジムの内装費
パーソナルジムはスポーツジムと比べて床面積が狭いため、必要となる内装費も安くなります。作業の一部をDIYで対応すれば、20万円以下に抑えられる場合も珍しくありません。
細部までデザインにこだわる場合は別です。しかし、最低限パーソナルトレーニングが出来る環境を整えるだけであれば、安価に内装工事を済ませる事が可能です。
もしジムの初期資金が少なく、内装費を出来るだけ安く抑えたいと考えているのであれば、パーソナルジムと言う形態で始める選択肢もあります。
スポーツジムとパーソナルトレーニングジムの内装費の違い
スポーツジムとパーソナルトレーニングジムの内装費の違いを生み出す大きな要因は、両社の規模の差です。スポーツジムは複数のトレーニングマシンを設置するスペースが必要です。
また、室内プールやサウナ、ロッカールームなど様々な設備が求められます。特にプールは特殊な処理が必要となるため、内装費が高くなってしまいがちです。
一方、パーソナルトレーニングジムはトレーナーがマンツーマンで指導する形式。そのため、最低限の設備を用意するだけで済みます。
シャワールームなどを設置する場合もありますが、必要な内装工事の規模はスポーツジムと比べてかなり小さい物です。特にマンションの1室などを利用するマイクロジムの場合、殆ど内装費を掛けずに開業出来る場合もあります。
壁紙や床のクロスの交換などに掛かる内装費
壁紙や天井・床のクロスの交換、フロアマットの設置などに掛かる内装費です。壁紙やクロスはジムの雰囲気に大きな影響を与えるため、欠かせない費用と言えるでしょう。
この内装費がいくら掛かるかは、選択する内装材の値段に大きく左右されます。安い内装材ほど品質が悪いと言う訳ではないので、予算と相談しながらどこまでこだわりを貫くかを決めましょう。
なお、ジムの立地によっては防音対策が必要となるため、遮音性能の高い内装材を採用しなければならない事もあります。
受付カウンターやロッカーなどの設置に掛かる費用
受付カウンターやロッカー、個室の扉や各種家具などの設置のための内装費も必須と言えます。利用客の荷物を収納するスペースはどうしても必要だからです。
この内装費に掛かる金額も、壁紙などと同様、採用する家具の値段によって変動します。品質の高い家具を選べば、当然の事ながら支払う内装費も高くなる訳です。
パーソナルジムの場合、受付カウンターなしで営業する事も出来るため、節約しやすい費用となります。なお、家具を設置する際は、利用者が移動しやすい動線も意識しなければなりません。
電気工事や空調工事に掛かる費用
電気工事や空調工事に掛かる費用も忘れてはならない内装費です。ジム全体の照明や空調設備は、快適なトレーニングをするために欠かせません。
スケルトン物件の場合は一から工事を行わなければいけないため、かなりの内装費が掛かる事もあります。既存の物件を利用する場合でも、ジム内に新たに部屋を作るなら配線工事を行わなければなりません。
また、ジム全体で使う電気の量が増える場合にも、専門業者に工事をしてもらう必要があるでしょう。
水回りの工事に掛かる費用
トイレを購入したり、シャワールームを設置したりする際に掛かる内装費です。大規模なスポーツジムの場合、プールや浴場などを設置するための費用も含まれます。
水回りの工事に費用を掛けずにいると、開業後に修理の必要が出てきて、かえって経費が増してしまう場合が多いのです。修理中は利用者に不便を強いてしまう事にもなるので、多少経費が掛かったとしても水回りを専門に取り扱う業者に依頼しましょう。
トラブル防止のための費用と考えれば安い物です。
ジムの内装費を節約する方法
ジムの内装費には必要不可欠な物が多いのですが、金額が大きくなり過ぎると開業後の経営状況に悪影響を及ぼす事もあります。工事の内容に合わせて内装費をどんどん増やしていくのではなく、抑えられる所は抑えると言う意識が大切です。
しかし、ジムの内装費をどう節約すれば良いか見当も付かない方もいるでしょう。そこでジムの品質に大きな影響を与える事なく、内装費を節約する方法を紹介していきます。
ジムの内装費を節約する具体的な方法は、以下の通りです。
空調や水回りをそのまま使える居抜き物件を借りる
空調や水回りの工事を行う事なく、そのまま使える居抜き物件を借りる事は節約に役立つ方法です。元スポーツジムの物件を借りられれば最適ですが、元塾や元オフィスなどであっても支払う内装費を抑える事が出来ます。
内装工事に掛かる時間も短縮できるので、迅速にジムを開業出来る点もメリットです。ただし、居抜き物件はジムのレイアウトが変えにくいと言うデメリットもあります。
ジムの内装にこだわりがある場合、なかなか要望に合致する居抜き物件を見つけられない場合もあるので注意してください。
既存の下地を活用して費用を抑える
既存の下地を活用する事も、ジムの内装費を抑える良い方法と言えます。壁紙やクロスは直接壁や天井に貼るのではなく、ボードを貼ってからその上で仕上げていく事が一般的です。
そのため、借りる物件の下地の状態が劣化していなければ、そのまま活用する事が出来ます。既存の壁紙やクロスに直接塗装を施して、ジムの内装を整える事も可能です。
ジムに利用する物件を探す際は、立地条件や家賃だけでなく下地の状態も確認してみてください。
トレーニングマシンの重さに耐えられる物件を探す
ジムとして利用する物件を探す際は、トレーニングマシンの重さに耐えられるかどうかをチェックする必要があります。いくら魅力的な居抜き物件に出会えたとしても、荷重オーバーになるようではいけません。
内装費を節約しようとした結果、床にダメージを与えてしまっては元も子もないでしょう。トレーニングマシンや家具の設置場所を工夫する事で対応できる場合もありますが、物件情報を調べる際は耐荷重にも気を配るようにしてください。
床の補強をすると言う手段もあります。しかし、どの物件でも可能な訳ではないですし、追加の内装工事費が掛かる事は避けられません。
デザインにこだわらず費用の掛からない材料を選ぶ
壁紙や床のクロスは製品によって価格が大きく異なるため、節約しやすいポイントです。
値段の違いを生み出しているのは内装材としての品質ではなく、見た目のデザインである事が多いと言えます。そのため、コスパの良い物を選べばジムの内装費を抑える事が出来るでしょう。
高級な雰囲気を全面に押し出すような場合を除いて、壁紙やクロスは明るさと清潔感を感じられれば問題はありません。また、トレーニングルーム以外は、ある程度内装材に妥協しても大きな影響を与える事が少ないのです。
壁の数を抑える
内装費を節約したいのであれば、出来るだけワンフロアに近いジムを目指すと良いでしょう。
個室を減らせば、それぞれの部屋で個別に電気工事などをする必要がなくなります。また、壁の数も抑えられるので内装工事をしやすくなります。
ただし、間仕切り壁がある物件を改装する場合、撤去費用が発生するので注意してください。約10万円程度の費用が掛かるので、場合によってはそのまま個室を残した方が得になる場合もあります。
個室を用意する事で、ジムの魅力を高めると言う経営の方向性もあります。どちらの形式を選択するか慎重に検討しましょう。
複数の内装工事業者に見積もりを依頼して比較する
内装費を節約したいなら、複数の内装工事業者に見積もりを依頼する事も大切です。
複数の見積もりを比較すれば、内装費の相場を把握しやすくなります。また、悪質な業者を避ける防御策としても機能します。
1社のみに依頼する場合と違って価格競争が発生するので、割高な費用を請求される事も少なくなるでしょう。もちろん、金額だけでなく、内装工事の具体案を比べる事も出来ます。
ただし、ジムの内装工事は一般のオフィスと異なる部分があるため、業者に過去の実績があるかどうかも合わせてチェックしてください。
内装をそもそもしないという選択
フィットネスジムはそうとはいきませんが、プライベートジムであればテナントではなくマンションの一室から始める事ができます。そのため、わざわざ内装費の掛かるテナントで始めるよりも、マンションの一室から始める事で、内装費を掛けずに開業する事が可能です。
マンションタイプの場合で内装を行いたいと言った場合でも、DIYでできる事がほとんど。一度、自分でできる所はあるのか調べてみるのも内装費を抑えるコツと言えるでしょう。
まとめ
地域によって差はありますが、ジムの内装費の相場は1坪あたり10〜30万円程度となっています。パーソナルジムなら規模が小さくなるため、スポーツジムよりも安い内装費で開業する事が可能です。
内装費の具体的な内訳としては、壁紙・クロスの交換に掛かる費用、受付カウンターやロッカーの設置に掛かる費用、電気・空調工事に掛かる費用、水回りの工事に掛かる費用などがあります。内装費を節約したい場合、工事の必要性が低い居抜き物件を選ぶと言う方法が有用です。
ただし、トレーニングマシンの荷重を考慮しなければなりません。内装材の価格はデザインによって決まる事が多いので、品質を維持しながら安い物を選ぶ事が出来ます。
壁の数を減らしたり、元々の下地の上に壁紙・クロスを張り替えたりと言った方法も効果的です。複数の業者に見積もりを依頼すれば比較して安い所を選びやすくなります。
選択肢のひとつとして、内装をしないという手段もありますので、頭の片隅に覚えておきましょう。
この記事を書いた人
- 経歴
2012年 日本ボクシングコミッション(JBC)プロライセンス取得
ボクシング歴 17年
大手スポーツクラブにて約8年間勤務プロボクサー時代の経験と大手スポーツクラブでの経験を活かし、ダイエットの為の食事指導や筋力トレーニングの他、ボディメイク、コンディショニングなどを行う。