パーソナルジム開業で失敗しがちな事!資金調達・集客方法は?
最近、パーソナルトレーナーが独立して新たにジムを開業するケースが増えています。自分自身で経営を管理していく必要はありますが、パーソナルトレーナーとして雇われるよりも高い年収を目指す事が可能です。
しかし、実際に開業しようとした時、何から始めたら良いか分からないと言う方も多いでしょう。パーソナルジムの開業に興味があっても、「どんな物を用意すれば良いか」「どんな手続きをすれば良いか」は意外と把握していない物です。
赤字を出してしまう事態を避けるためにも、必要な知識を学んでおく必要があります。パーソナルジムの開業に必要となる物と開業する際の注意点についてチェックしていきましょう。
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パーソナルジムの開業に必要な物
パーソナルジムを開業するために、初期資金が必要な事は誰でも分かると思います。しかし、具体的にどれだけの金額を用意する必要があるのかとなると、頭に疑問符が浮かぶ方も多いでしょう。
また、パーソナルジムを開業するために、必要な資格や開業前に行わなければならない手続きも重要なポイントです。これらの点は一見難しそうに感じられるかもしれませんが、1つ1つチェックしていけば初心者でも十分に対応出来ます。
パーソナルジムの開業に必要となる物は、以下の通りです。
パーソナルジムを開業するために必要な資格はあるのか?
パーソナルジムを開業するためにまず気になるのが、必要な資格があるのかという点です。もし資格が不可欠なのであれば取得する所から始めなければなりません。
しかし、現在の所、パーソナルジムの開業に必須の資格は存在しません。パーソナルトレーナーに関する資格の中に国家資格がなく、全て民間資格となっているからです。
そのため、資格を一切持たない状態でもジムを始める事は出来ます。ただ、資格はパーソナルトレーナーとして一定以上の技量を持つ事を証明する物である点も事実です。
ジムの信頼性を担保するためにも、出来るだけ資格は取得しておいた方が無難でしょう。また、フィットネスクラブなどでトレーナーを勤めていたなどの過去の実績も、資格と同様にジムへの信頼感を増してくれます。
パーソナルジムの開業資金の目安
パーソナルジムを開業するための資金は、ジムの規模によって変わります。マンションの1部屋を借りてスタートする場合の目安を見ていきましょう。
まず、初期資金として物件を借りる費用や、内装工事をするための費用などが必要になります。
項目 | 費用 |
---|---|
敷金・礼金 | 50万円程度 |
内装 | 20〜50万円程度 |
マシン類 | 100万円程度 |
運転資金・雑費 | 1ヶ月あたり30万程度 |
敷金・礼金を支払う事を考えると50万円程度(テナントの場合は数百万円する事が多い)、内装設備を整えるならさらに20〜50万円程度を用意しなければなりません。もちろん、物件を借りただけではジムとして成立しないので、必要な機材も揃える必要があります。
フォームを確認するための鏡や防音用のコルクマット、ストレッチ用のポール・マットやフラットベンチ、ダンベルや縄跳びなどは最低限準備しておいた方が良いでしょう。トレーニングマシンも含めて100万円程度が1つの目安です。
ただし、トレーニングマシンは種類ごとの価格差が大きいため、どんなマシンを導入するかによって開業資金も大きく変動します。さらに、家賃や水道光熱費、広告費などの運転資金も、1ヶ月あたり30万程度は必要になると考えておいた方が無難です。
ホームページは自分でも作成可能ですが、業者に依頼する場合は数十万円から数百万円する場合もあります。こちらは、どのくらいこだわるか、規模によっても異なります。
最初から集客が出来るパーソナルジムは少ないため、初期は500万円程度の資金があると比較的安心して開業が可能です。安く抑えようと思えば100万円から150万円程度でも可能ですが、リスクの高い起業と言えるでしょう。
自己資金だけでは不足する場合に融資を受ける方法
パーソナルジムを開業するために必要な資金を自己資金だけでは賄えないケースもあるでしょう。その際は、融資を受けて資金を調達する必要があります。
利用出来る金融機関は様々あります。個人事業主や中小企業に融資を行う日本政策金融公庫であれば、比較的融資を受けやすいでしょう。
担保・保証人なしで資金を借りられる新創業融資制度もあり、パーソナルジムの開業にはうってつけです。また、ジムの規模によっては助成金や補助金を申請出来る場合もあります。
活用可能な助成金・補助金の種類は時期によっても異なるため、こまめに情報収集する事がお勧めです。借りれるだけ借りておきたい所ですが、先ほども記載の通り、500万円を目標に申請を出してみると良いでしょう。
パーソナルジムを開業する具体的な手続き・届け出
パーソナルジムを開業する際は、税務署や都道府県の税事務所に開業届を提出しなければなりません。開業届の記入は特に難しい物ではなく、開業日や事業の内容を記入するだけで大丈夫です。
厳密には開業届なしでパーソナルジムを始める事も出来ますが、青色申告をするために必要な届出なので提出しておく事をお勧めします(白色申告とは異なり青色申告の場合は税金の特別控除があるため)。ただし、これらの手続きは個人事業としてジムを立ち上げる場合の物です。
最初から法人化する場合、社会保険事務所や労働基準監督署など様々な場所で手続きを行わなければなりません。行政書士や司法書士に依頼する場合、25万円から30万円の費用が掛かります。
ただし、初めて起業する場合に、よほどの理由がない限りは個人事業主から始める事をおすすめしています。
パーソナルジムの開業で失敗を避けるための注意点
開業に必要な資金や届け出が理解出来たとしても、それだけではパーソナルジムの経営を成功させる事は出来ません。初めてジムを経営する人が失敗してしまいがちな項目をしっかりと把握して、対応策を考えておく必要があります。
もちろん、注意点を知るだけで100%成功出来ると言う訳ではありませんが、失敗するリスクを抑えるためには非常に重要な点です。注意点を知る事は、具体的な開業のイメージを固める事にも役立ちます。
パーソナルジムの開業で失敗を避けるために注意しておきたい点は、以下の通りです。
どんなコンセプトでパーソナルジムを開業するか
パーソナルジムを開業する際に大切な事の1つが、どんなコンセプトのジムにするかと言う点です。一口にパーソナルジムと言っても、主軸にするテーマはダイエットやボディメイクなど多岐に渡ります。
あまり需要のないコンセプトを前面に押し出してしまうと、お客さんに魅力あるジムだと思ってもらえなくなるでしょう。インターネットで検索されている回数やGoogleトレンドでの人気度の変化などを参考に、ニーズの高いコンセプトを考えるべきです。
また、ジムのコンセプトは、他のパーソナルジムと差別化を図る際にも重要となります。プライベートジムの場合、ボディメイクよりもダイエットに焦点を当てた方が需要は高いのでおすすめです。
パーソナルジムの費用を決める
パーソナルジムを開業する場合、1セッションごとにどれだけの費用を設定するかも考えておきましょう。利益を上げる事を考えると高めの料金設定にしたくなる物。
しかし、1セッション15,000円以上で利用が見込めるトレーナーはごく一部に限られます。メディアに出演していて既に人気が高いなどの事情がない限り、1セッション10,000円〜13,000円以下に抑えておいた方が無難です。
それよりも高めの料金を設定してしまうと、ライバル店に利用者を奪われてしまうかもしれません。ただし、価格競争になると忙しくなった際に自分の首を締める事になりますので、ある程度の価格を保つというのは重要な事です。
無理のない規模のパーソナルジムを開業する
パーソナルジムを開業する際は、無理のない規模からビジネスを始める事が大切です。1年目から年商3,000万円を達成した事例もありますが、規模を大きくし過ぎると経営上のリスクが高くなってしまいます。
最初のうちはお客さんの数もそれほど多くない事が予想されるため、初期費用を可能な限り抑える事がお勧めです。また、利用者の数が多過ぎると十分な休みを取れず、健康トラブルを招く危険性もあります。
まずはマンション1室の小規模なジムから始めるのがおすすめです。
パーソナルジムのための物件探し
パーソナルジムを開業するための物件を探す際は、家賃の額に注意しましょう。魅力的な物件に出会うとついつい家賃の差を無視してしまいがちですが、毎月固定で支払う費用である事を忘れてはいけません。
アクセスの良さなどを理由に家賃の高い物件を選んでしまうと、無理のない規模から始める事が難しくなります。また、借りようとしている物件の周囲に競合するパーソナルジムがないかどうかを確かめる事も大切です。
全くコンセプトの違うジムならともかく、似たタイプのジムが近所で営業していると見込める利用者の数は少なくなります。インターネット上の地図サービスなどを活用して、周辺で営業しているジムの数とコンセプトを確かめる事をお勧めします。
家賃だけでなく防音対策や荷重計算も重要
通常の部屋探しとパーソナルジムを開業するための部屋探しの異なる点として、防音対策や荷重計算が挙げられます。騒音トラブルを避けるため、鉄筋コンクリートや鉄骨鉄筋コンクリートの物件を選ぶ事は重要です。
1階の部屋や角部屋など、周囲への配慮が少なく済む場所を見つける事も大切。防音・遮音マットを活用する方法もありますが、出来るだけ物件自体が防音対策に向いた条件を備えていた方が良いでしょう。
また、一般的なマンションの床であっても一定の重量に耐えられる設計にはなっていますが、トレーニングマシンを初めとする設備を多数導入する場合、荷重に耐えられるかをチェックしておかなければなりません。
荷重の面でも鉄筋コンクリートや鉄骨鉄筋コンクリートの物件はお勧めです。また、必ずオーナー・管理会社にパーソナルトレーニングの許可を得るようにしましょう。
許可を得ずに行なっているジムもあるようですが、騒音などのクレームが入った場合には即刻退去しなくてはなりません。せっかく集客した方が離れてしまうリスクが非常に大きいので注意が必要です。
パーソナルジムを開業する地域の世帯年収
パーソナルジムを開業する地域の世帯年収も、ぜひ事前にチェックしておきたい点です。家賃の安い部屋を借りられたとしても、ジムに通うだけの金銭的な余裕のある人が周辺に住んでいなければ集客が難しくなります。
そのため、出来るだけ世帯年収の高い地域でジムのための物件を探した方が無難です。高年収の人を主なターゲットに据えていない場合であっても、利用してもらえる確率が高まるでしょう。
また、有名企業が密集しているようなエリアでも集客は望めます。ただし、借りる部屋の家賃が高くなる傾向にありますので、そのあたりは自分の資金力によって決めると良いでしょう。
クレジットカード払いなどの決済方法を導入する
パーソナルジムを開業する際は、クレジットカード払いなどの便利な決済方法も導入しましょう。現金だけで良いのではないかと考える方もいるでしょうが、カードで決済出来るようにするだけで利用者の数が増えると言うデータがあります。
クレジットカード払いには手数料が掛かりますが、集客のための費用と考えれば十分な価値のある物です。以前はカード払いを実現するために、高額な設備を用意する必要がありました。
しかし、現在はスマートフォンやタブレットを利用して、手軽にクレジットカード払いを導入出来るサービスがあります。そのため、初期費用の問題は払拭されています。
どのクレジットカード決済が良いのか、迷うという方は当ジムでも使っている「スクエア」がおすすめです。入金スケジュールも早く、使い方も非常に簡単で手数料に関しても、他の決済システムをほとんど変わりません。
パーソナルジムへの集客方法を考えておく
パーソナルジムを開業する際は、あらかじめ集客方法も考えておきましょう。どれほど優れたジムであっても、存在を知ってもらえなければ利用者を獲得する事は出来ません。
ホームページを開設する場合、専門知識がなければ業者に委託して作成する事をお勧めします。ホームページは単に作れば良いと言う訳ではなく、予約ページを設置するなど実際にお客さんを集める仕組みが必要だからです。
ただし、運用するための費用を節約するため、ページの更新は自分自身で出来るようにしておいた方が良いでしょう。「Facebook」や「Instagram」などのSNSを活用する事も重要な集客方法となります。
SNSごとにユーザーの属性には違いがあるので、ターゲット層に合わせて定期的な宣伝をすると良いでしょう。他にもチラシを配布する・リスティング広告を出すなどの集客方法があります。
それぞれに異なる特徴があるため、開業しようとしているジムに合った方法を選ぶ事が大切です。ただし、手広く行なって全てが疎かになる事は避けなければなりません。
様々な集客方法がありますが、ひとつひとつ丁寧に行い、更新頻度が止まるようなものはあえて切り捨てる事も一つの手段です。
パーソナルジムを開業したら確定申告の準備も必要
個人事業を行う場合、毎年2月16日から3月15日までの間に確定申告をする必要が出てきます。確定申告は難しい物と言うイメージがあるかも知れませんが、会計ソフトの使い方を覚えれば意外と簡単に申告を行う事が可能です。
青色申告を行えば所得税の控除額が65万円分増えると言うメリットもあるため、支払う税金を節約するためにもしっかりと準備をしておきましょう。基本的にはパーソナルジムの開業後、会計ソフトへの入力と領収書などの保管を徹底すれば問題ありません。
不安を覚えるのであれば、専門業者に依頼する事も出来ます。また、確定申告に関するセミナーに参加して知識を得る事も可能です。
個人事業主で開業するのであれば、税理士事務所に依頼する顧問料は月額15,000円程度が相場(法人の場合はもう少し高くなります)。月額顧問料の他、確定申告の際に月額顧問料の3〜6ヶ月分の料金も必要になります。
税理士事務所によって費用は異なりますので、色々と比較する事をおすすめします。ただし、安いからと言って決めるのは避けるようにしてください。
「ちゃんと訪問して打ち合わせをしてくれる」「売り上げが良かった際の節税に関してもアドバイスをもらえる」「月次報告の際に財務のアドバイスをくれる」など、税理士によって対応が違います。
フランチャイズの利用も検討する
パーソナルジムを開業する際は、フランチャイズを利用する事も検討してみてください。フランチャイズは加盟料やロイヤリティを支払う必要があるものの、物件選びや料金設定を初めとする様々な場面でサポートを受ける事が可能です。
集客力の高いフランチャイズであれば集客も有利になるため、開業にあたって不安な点が多いのであれば加盟を検討する価値があります。ただ、フランチャイズを利用する際は、どの会社を選択するかと言う問題が発生する事も忘れてはいけません。
ロイヤリティーの金額やサポート内容はそれぞれ異なるため、しっかり比較して適したフランチャイズを選択する必要があります。
まとめ
パーソナルジムを開業するために必要な資格は特にありません。開業資金は物件取得に50万円程度、内装工事に20〜50万程度、トレーニング機材の購入に100万円程度が1つの目安です。
自己資金で不足する場合には日本政策金融公庫などから融資を受ける事も検討しましょう。ジムの開業に必要な手続きは、開業届のみです。
魅力あるコンセプトを設定する事も重要になります。また、1セッションあたりの費用は10,000〜13,000円以下にしておいた方が無難です。
無理のない規模のビジネスから始める事が重要なので、家賃の高い物件は避ける必要があります。世帯年収の高い地域を選ぶ事や防音対策・荷重計算にも注意しましょう。
ホームページやSNSなど集客方法についても、あらかじめ考えておいてください。クレジットカード払いが出来るようにしておけばさらなる集客が見込めます。
個人事業を行う際は確定申告が必要となるので、会計ソフトなどを用意しておきましょう。ロイヤリティを支払う必要はありますが、集客面・サポート面で有利なフランチャイズに加盟する選択肢もあります。
この記事を書いた人
- 経歴
2012年 日本ボクシングコミッション(JBC)プロライセンス取得
ボクシング歴 17年
大手スポーツクラブにて約8年間勤務プロボクサー時代の経験と大手スポーツクラブでの経験を活かして、ダイエットの為の食事指導や筋力トレーニングの他、ボディメイク、コンディショニングなどを行う。