パーソナルトレーナーの保険に入った方が良い?加入方法や保険の種類を解説
パーソナルトレーニングでは、注意していてもお客さんに怪我をさせてしまうリスクが常にあります。怪我を負わせてしまった場合には、お客さんの診療代や入院費を負担する必要が出てきますし、状況によっては裁判に発展する可能性も否定出来ません。
そんな時、保険に加入していれば金銭的負担をカバーする事が可能です。しかし、パーソナルトレーナーの保険について詳しく把握していないと言う方も多いのではないでしょうか。
パーソナルトレーナーの保険についての情報と、具体的な入り方についてチェックしていきましょう。
この記事の目次
パーソナルトレーナーの保険について
パーソナルトレーナーの保険には、お客さんの怪我に対応するための「損害賠償責任保険」と自身の怪我に対応するための「傷害保険」の2種類があります。パーソナルトレーニングではバーベルのように重たい器具を使う場面も多いので、指導する側・される側どちらの怪我の可能性も常に考慮しておかなければなりません。
怪我をさせない・しない事が一番ではありますが、万が一の事態に備えて保険への加入を検討する事が大切です。しかし、どんなパーソナルトレーナーでも保険に入らないと行けない訳ではありません。
雇用形態によっても差が出てくるので、きちんと違いを認識する事が大切です。保険に入るべきかどうか、雇用形態によってどんな違いがあるのかを見ていきましょう。
パーソナルトレーナーで保険に入った方が良い方・そうでない方の違い
パーソナルトレーナーで損害賠償責任保険に入った方が良い方は、怪我などのトラブルが起きた際に支払うお金のあてがない人です。特にフリーランスとしてパーソナルトレーナー業を営んでいる場合、自分1人だけでお客さんへの補償を行う必要がありますので、保険への加入は必須と言って良いでしょう。
一方、正社員やアルバイトとしてパーソナルジムやフィットネスクラブに雇われている場合、ジムの加入している保険で補償がされる事が多いと言えます。そのため、わざわざ個人で追加の保険に加入する必要性は薄いでしょう。
傷害保険についても、フリーランスの方は保険加入の必要性が高くなります。怪我の治療費が掛かるだけでなく、パーソナルトレーナーとしての仕事が出来ずに一定期間収入がゼロになると言う面もあるからです。
雇用形態による保険の違い
既に説明した通り、ジムに雇われている場合にはジムの加入している保険で怪我などのトラブルに対応してもらう事が可能です。ただし、加入している保険の内容はジムによって異なるため、事前に確認しておいた方が良いでしょう。
ジムと業務委託契約を結ぶ場合、個人事業主としての契約なのでジムの保険の対象とならない場合が多いのです。保険への加入を契約の前提条件とするジムもあるので注意しましょう。
また、ジムに雇われている方とフリーランスの方では、年金保険や健康保険と言った社会保険にも違いがあります。
パーソナルトレーナーの保険の入り方は?
パーソナルトレーナーの保険について把握出来たとしても、実際に加入するとなると話は別です。どのような保険に入れば良いのか・どんな手続きが必要なのかなど、細かい点に悩んでしまう方がいます。
既に保険へ加入している人にアドバイスをもらう方法もあります。しかし、あらかじめ保険の入り方について情報を得ていた方が適切な保険を選びやすくなるでしょう。
パーソナルトレーナーの保険の入り方でポイントとなる部分としては、以下のような事が挙げられます。
損害賠償責任保険への加入方法
パーソナルトレーナーが損害賠償責任保険へ加入する一般的な方法は、パーソナルトレーニング関連の民間資格を取得して保険に入る事です。多くの民間資格は団体の会員特典として保険加入の仕組みを用意しているので、これを活用すると良いでしょう。
資格を取得をするための知識・実力の研鑽によって、怪我のリスクを減らす事も期待出来ます。火災保険などの特約などとして契約出来る個人賠償責任保険もありますが、基本的に業務中の事故には対応していません。
個人的に無償で指導する場合はともかく、仕事としてパーソナルトレーナーをするのであれば保険が適用されないと考えるべきです。
保険へ加入出来る仕組みのある民間資格
保険へ加入出来る仕組みのある民間資格を取り扱う団体としては、NESTA(全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会)・NSCAジャパン(日本ストレングス&コンディショニング協会)・JATI(日本トレーニング指導者協会)などが挙げられます。
NESTA-PFT・NSCA-CPT・JATI-ATIと言った需要の高いパーソナルトレーナーの資格を取り扱っている団体なので、既に会員になっている方も多いでしょう。他にも、JHCA(日本ホリスティックコンディショニング協会)や日本スポーツ協会などが保険を取り扱っています。
一方、パーソナルトレーナー向けの保険がない資格も存在するため、保険加入のために取得を目指す際は注意しましょう。
資格ごとの保険料の違い
パーソナルトレーナーの資格を取り扱う主な団体ごとの保険料・加入条件は、以下のようになっています。
資格(団体) | 保険料 | 保険加入の条件 | 補償金額(対人) | 備考 |
---|---|---|---|---|
NESTA | なし | 会員(12000円/年) | 最大1億円 | 傷害保険に加入出来るオプションコース(2000円/月)あり |
NSCAジャパン | 9600円/年 | 会員(12960円/年)かつ資格取得者 | 不明 | – |
JATI | 700円/月 | 会員(10800円/年) | 不明 | 所得補償保険あり |
JHCA | 3800円/年 | 会員(10500円/年) | 最大1億円 | 年度途中で加入した場合の保険料は月割 |
日本スポーツ協会 | PA:23030円/年 PB:13980円/年 |
日本スポーツ協会公認スポーツ指導者 | 最大1億円 | 傷害保険(PA・PBで保険金に差)にも同時に加入 年度途中で加入した場合の保険料は月割 |
※詳細に関してはデータが古い場合もありますので、加入を検討している方は各団体に必ず詳細を確認を取るようにしてください。
複数の保険を比較検討する際のポイント
保険へ加入出来る仕組みのあるパーソナルトレーナーの民間資格の中から、実際に加入する物を比較検討する際のポイントは、保険以外のメリットに着目する事です。それぞれの保険の補償金額の上限を比べてみると、極端な差がある訳ではありません。
つまり、各資格の保険の大きな差となる部分は、支払う保険料の金額と言っても良いでしょう。ただ、資格によって取得・入会に必要な費用は異なりますし、保険以外の会員特典も様々です。
一見、保険料が高いように思えても、他の会員特典を考えると総合的なコスパは良いと言うケースもあります。そのため、比較する際は保険だけに注目するのではなく、各団体に入会するメリット全体で考えた方が無難です。
まとめ
パーソナルトレーナーは損害賠償責任保険へ加入する事で、お客さんに怪我をさせてしまった場合の金銭的な負担をカバーする事が出来ます。ジムの加入している保険を利用出来ないフリーランスのパーソナルトレーナーは、個人で保険へ加入しておいた方が無難です。
ジムに雇われている場合は個人で保険に入る必要性は薄いのですが、保険の内容はジムごとに違うため確認しておく事をお勧めします。パーソナルトレーナーが損害賠償責任保険に加入する一般的な方法は、民間資格を取得して団体の会員特典として用意されている保険を利用する事です。
NESTA・NSCAジャパン・JATIなどメジャーな資格を取り扱う団体には、いずれも保険へ加入出来る仕組みがあります。保険料や加入条件は団体ごとに違うため、しっかり比較する事が大切です。
比較検討する際は、保険以外の会員特典も考慮しましょう。
この記事を書いた人
- 経歴
2012年 日本ボクシングコミッション(JBC)プロライセンス取得
ボクシング歴 17年
大手スポーツクラブにて約8年間勤務プロボクサー時代の経験と大手スポーツクラブでの経験を活かして、ダイエットの為の食事指導や筋力トレーニングの他、ボディメイク、コンディショニングなどを行う。