ダイエットが便秘の原因?その理由や対策法などを解説
体重を減らすためにダイエットに取り組み始めると、しばらくして便秘になってしまう人は少なくありません。特に女性は男性と比べても便秘になってしまう可能性が非常に高いのです。
今回の記事では、なぜダイエットをする事が便秘の原因になってしまうのか、その理由について詳しく解説します。
便秘になってしまうと、ダイエットの効果を減らしてしまう事があるのです。そのような事を防ぐために、ダイエット中の便秘の効果的な対策法についてもご紹介します。
なぜダイエットが便秘の原因に?その理由とは
ダイエットが便秘の原因になる理由は、主に以下の5つ挙げられます。
- 水分不足
- 脂質・油分不足
- 食物繊維不足
- 偏食などで悪玉菌が増えて腸内環境が悪化する
- 精神的なストレスが消化器官の働きに影響を及ぼす
それぞれの理由について1つずつ詳しく解説していきます。
水分不足
ダイエットでは、余分な摂取カロリーを減らすために食事の量や飲み物を通常よりも減らす事が多いのです。すると、食べ物に含まれている水分などの摂取量が減るため、意識して水分を補給していないとすぐに水分不足に陥ります。
また、普段運動していない人がダイエットで運動を始めると、汗をかいてより簡単に水分が足りなくなってしまうのです。そして、水分不足に陥ると体は便に含まれる水分を代わりに吸収します。
その結果として、便が硬くなり便秘になってしまう事があるのです。
脂質・油分不足
脂質というのは、1gあたり9kcalと栄養素の中でも最もカロリーが高いのです。そのため、ダイエットではこの脂質を集中的に減らして摂取カロリーを抑える人が多くいます。
しかし、この脂質という栄養素はカロリーは高いものの、排便に関して以下のような重要な働きを持っているのです。
- 腸内で便がよく滑るようにさせて容易に排泄出来るようにする
- 排便に関わる腸の動きを促進する
このように、脂質には排便に関わる働きがあります。そのため、ダイエットで減らし過ぎてしまうと、上手く排便出来なくなり便秘になってしまうのです。
また、脂質が減ってしまうと便秘だけでなく、髪の毛や肌にも影響が出ますので特に女性は注意するべきでしょう。
食物繊維不足
糖質制限ダイエットが流行っているため、お米やそば、また芋類や根菜類などの炭水化物が多い食品を避ける人が多いのです。しかし、これらの食品の中には、食物繊維や食物繊維に似た働きをする成分が豊富に含まれています。
そのため、これらの食品をダイエットでカットしてしまうと、食物繊維が不足してしまう事が多いのです。そして、その食物繊維には便を柔らかくする働きがあります。
つまり、この食物繊維が不足がすると、水分不足と同じように便が硬くなって排便しづらくなり、便秘に陥ってしまうわけなのです。
偏食や糖質制限ダイエットなどで悪玉菌が増え腸内環境が悪化
日本ではプロテインや単品の食品を食べるだけのダイエットなど、偏った内容のダイエット方法に取り組んでいる人は案外少なくありません。しかし、上記のような偏食に近いダイエット方法では、水分や食物繊維などが不足してしまいます。
すると、悪玉菌が増えて腸内環境が悪化して、便秘を引き起こしてしまう事があるのです。また、先ほどご紹介した糖質制限ダイエットでは、糖質を制限する代わりに肉類を増やします。
実は、肉や肉に付いている脂肪の摂取量が増えるという事も、悪玉菌を増やして腸内環境を悪化させる原因の1つになり得るのです。さらに、腸内環境が悪化する事で起こるのは便秘だけではありません。
代謝が落ちて痩せにくくなったりもします。上記のような食事内容に当てはまる方は、食事内容を改善する事をおすすめします。
精神的なストレスが消化器官の働きを低下
ダイエットでは好きなものを制限する事が多いため、精神的にストレスが溜まる事は決して珍しくありません。食べ物だけでなく、辛い運動する事でもストレスが溜まってしまう事があります。
ただ、実はこの精神的なストレスは強く感じ過ぎると、消化器官の働きに悪影響を及ぼして、その機能を低下させてしまうのです。その結果、上手く便を排泄する事が出来なくなって便秘に繋がる事があります。
また、精神的なストレスが原因の場合は便秘だけでなく、下痢と便秘を繰り返す症状の原因にもなり得ますので特に注意が必要です。
ダイエットで便秘になった時の対策法
ダイエットが便秘の原因になる理由についてご紹介してきました。ただ、これらの理由を理解した上でダイエットに取り組んだとしても、時には便秘を起こしてしまう事もあります。
そこで、ダイエット中に便秘になってしまった時の効果的な対策法についてご紹介しましょう。
ヨーグルトなどの発酵食品で善玉菌を増やし腸内フローラを改善
ヨーグルトなどの発酵食品には、腸内の善玉菌の数を増やして腸内フローラという腸内の菌のバランスを整えてくれます。すると、腸内環境が改善されて、便秘の解消に繋がるのです。
ちなみに、おすすめの発酵食品としては、ヨーグルト以外にも納豆や味噌などがあります。また、これらの発酵食品は、オリゴ糖が多く含まれる玉ねぎや人参、ゴボウなどと食べると、より効果が高くなるのでぜひ試してみてください。
キャベツやさつまいもなどの野菜・フルーツから食物繊維を摂る
食物繊維は、便を柔らかくしてスムーズに排便出来るようにする働きを持っています。そのため、ダイエット中に便秘になった時には、食物繊維が豊富な野菜やフルーツを摂取するのが効果的な方法なのです。
食物繊維には水溶性と不溶性の2種類あり、それぞれをバランスよく摂取する事も大事だとされています。これら食物繊維を豊富に含む食品は以下のようなものがあります。
このリストを参考に2つの食物繊維を摂取するように心がけてみてください
不溶性食物繊維
・オートミール
・豆類
・きのこ類
・こんにゃく
・こぼう
・キャベツなどの繊維質な野菜
水溶性食物繊維
・ワカメなどの海藻類
・さつまいもなどの芋類
・寒天
オリーブオイルなどの良質な脂質を適度に摂取
既に解説している通り、脂質は便のすべりを良くしたりする事でスムーズな排便をサポートしてくれます。そのため、便秘になってしまった時には、適度に脂質を摂取する事が重要なのです。
しかし、脂質であれば何でも良いというわけではありません。牛肉やマーガリンなどに含まれる脂質は、ダイエットだけでなく健康に対しても悪影響を及ぼす事があります。
一方で、オリーブオイルやココナッツオイルなどの質の良い油であれば、血糖値の上昇を抑えたりしてダイエットにプラスの効果があるのです。
このように、同じ油であってもその質によって効果は変わります。そのため、便秘になった時にはなるべく質の良い油を選んで、適度な量を摂取するようにしてみてください。
玄米やもち麦などの質の良い炭水化物を食べる
一般的に、主食の炭水化物は白米や食パンなどから摂取します。しかし、白米や食パンは精製されている分、食物繊維が少ないのです。
そのため、便秘対策のためには白米などはあまり向きません。一方で、玄米やもち麦、全粒粉パンなどは食物繊維が豊富に含まれているので、便秘解消のためには効果的な食べ物だと言えるのです。
このように、炭水化物を取るための食品も脂質と同じように種類によって便秘に効果があるかどうか変わります。ですので、便秘になった時には、なるべく玄米等の食物繊維が多い炭水化物を摂取するようにしてみてください。
腹筋やウォーキングなどのエクササイズをして運動不足を解消
運動を一切しない食事制限だけのダイエットをすると、全身の筋肉量が少なくなってしまう事があります。すると、排便をするために必要な筋力も低下してしまって、スムーズに排便出来なくなってしまう事もあるのです。
そのような場合には、腹筋やウォーキングなどの運動に取り組んで、筋力を維持・向上させるのが効果的な方法だと言えます。また、運動に取り組むと食事制限だけのダイエットよりも、プロポーションが良くなるメリットがあるのです。
そのため、ダイエット中の方には便秘のためだけでなく、体型改善のためにもエクササイズ・運動を取り入れる事をお勧めします。
睡眠不足を避ける
人間の体は睡眠時間が不足してしまうと、交感神経が副交感神経よりも優位になるように出来ています。そして、交感神経が優位になってしまうと排便に関わる腸も動きが弱まってしまい、その結果として便秘を起こす事があるのです。
また、睡眠不足でストレスがたまると、そのストレスが更に交換神経を高くしてしまいます。そして、再び便秘になるという悪循環が生まれる可能性もあります。
そのため、ダイエット中に寝不足を感じている人は、なるべく交感神経が優位になり過ぎないように、睡眠時間は十分に確保するように意識してください。
冷え性の人は入浴や温かいスープ等の食べ物で身体を温める
特に女性に多い冷え性の人は文字通り身体が冷えていて、代謝や腸内の動きが悪くなって便秘を起こしている事があります。この問題を解決するためには単純に身体を温めて、冷えを改善するというのが効果的な方法です。
具体的には、以下のような方法が身体を温める方法としてはおすすめなので、冷え性の人はぜひ実践してみてください。
- 入浴をして体の芯から温める
- 温かいスープや飲み物を飲む
- 腹巻で内臓などが冷えないようにする
朝ごはんと朝の水分は抜かないで毎日摂取する
ダイエットに取り組む人の中には、摂取カロリーを減らすために朝ごはんを抜いている人もいます。しかし、便秘に悩んでいるのであれば、朝ご飯を抜く事はお勧め出来ません。
なぜなら、以下のような理由があるからです。
- 朝ごはんを抜くと体内時計が狂い、排便のリズムも崩れる
- 朝にご飯や水を取らないと腸が刺激されないので、腸が動き出さない
朝ごはんや朝の水分を抜く事は、排便に対して悪影響を及ぼします。ですので、便秘になってしまった時には、これらの悪影響をなくすためにも毎朝同じ時間帯にご飯と水分をとるように心がけましょう。
ちなみに、スムージーや野菜ジュースだけでも腸を刺激出来ます。そのため、時間が無くご飯が用意出来ない時は、これらの飲み物だけでも摂取するようにしてください。
酷い便秘の時は便秘薬や漢方の利用を考える
いくつかのダイエット中の便秘の対策法についてご紹介してきました。ただ、これらの対策法を試しても便秘が長期間改善されない事も稀にあります。
そのような酷い便秘の時には、無理に我慢するとお腹が張ったり、痛みを感じたりと日常生活に支障をきたしてしまう事もあるのです。そのため、長期間便秘が改善されないのであれば、便秘薬や漢方、サプリなどの利用を検討してみると良いでしょう。
ただ、便秘薬や漢方、サプリにはいくつかの種類があり、人によって合う合わないも存在します。そのため、初めて便秘薬を利用するのであれば、安全のためにも必ず医師などに相談をして自分の体に合った便秘薬や漢方を処方してもらってください。
ダイエット中の便秘はむくみ・痩せない原因なので注意
中には便秘に慣れていたりして、積極的に便秘の状態を改善しようとしない人もいます。ただ、ダイエットで効率的に痩せたいのであれば、便秘は出来るだけ解消するべきです。
ダイエット中に便秘になると、体内に老廃物が溜まり、体がむくんで太って見えてしまいます。それだけでなく、血流やリンパの流れが悪化して代謝が下がり、ダイエットしてもなかなか痩せない、太る状況に陥る原因にもなり得るのです。
このような理由がありますので、ダイエットで効率的に痩せたい方は便秘はなるべく早く対策する事をおすすめします。
まとめ
今回の記事でご紹介した情報を簡単にまとめます。
【ダイエットが便秘の原因になる理由】
・脂質、油分不足
・食物繊維不足
・栄養バランスが乱れた食事で悪玉菌が増え腸内環境が悪化する
・精神的なストレスが消化器官の働きを低下させる
【ダイエット中の便秘の解消法】
・野菜やフルーツから不溶性食物繊維と水溶性食物繊維をバランスよく摂取
・オリーブオイルなどの質の良い脂質を適度に摂る
・白米や食パンではなく食物繊維が多い玄米やもち麦、全粒粉パンを選ぶ
・排便に関わる筋力を上げるために日頃からエクササイズ・運動に取り組む
・睡眠時間を確保して交感神経の高まりを防ぐ
・冷え性の人は入浴や温かいスープなどで体を温める
・毎朝同じ時間帯に朝ごはん、もしくは野菜ジュースなどの水分を摂取する
※便秘が長引く時には便秘薬や漢方の利用を検討
便秘はダイエットに取り組む人にはよく起こる症状です。ただ、最後にも解説した通り、便秘になるとダイエットに対して悪影響を及ぼしてしまいます。
そのため、ダイエット中にもし便秘になってしまった時には上記の情報を活用して、なるべく早く解消するように心掛けてみてください。
この記事を書いた人
- 経歴
2012年 日本ボクシングコミッション(JBC)プロライセンス取得
ボクシング歴 17年
大手スポーツクラブにて約8年間勤務プロボクサー時代の経験と大手スポーツクラブでの経験を活かし、ダイエットの為の食事指導や筋力トレーニングの他、ボディメイク、コンディショニングなどを行う。