パスタは太らない?ダイエット中にお勧めの食べ方と注意点
糖質制限ダイエットのイメージから、炭水化物が多い食品は太る原因になると考える方は多いでしょう。そのため、白米やうどんなどの他の主食と同じく、パスタを食べないようにしている方も多いはずです。
しかし、パスタは食べても太りにくいという研究が発表されています。一見すると信じがたい内容ですが、実はしっかりとした理由があるのです。
なぜダイエット中にパスタを食べても太らないのか、その理由をチェックしていきましょう。併せてお勧めの食べ方や注意点についても紹介するので、参考にしてみてください。
パスタはダイエット中に食べても太らない?
そもそもダイエット中に糖質の摂取量を減らすべきとされるのは、血糖値が急上昇してインシュリンの分泌量が多くなるからです。インシュリンにはエネルギーとして消費しきれなかった糖質を脂肪細胞に貯める働きがあるため、分泌量が多過ぎるると肥満の原因となってしまいます。
そのため、ダイエットに適しているかどうかは単に糖質の量だけでなく、血糖値の上がりやすさにも注目する必要があります。実はパスタが太らないとされる理由も、血糖値に関連するものです。
血糖値に関するパスタの具体的な特徴としては、以下のような事が挙げられます。
パスタはGI値がご飯やうどんより低い
茹でたパスタ100gに含まれる炭水化物の量を、ご飯やうどんと比較すると以下のようになります。
種類 | 炭水化物の量 |
---|---|
パスタ(スパゲッティ) | 32.2g |
ご飯(精白米) | 37.1g |
うどん | 21.6g |
一度に食べる量に違いはありますが、パスタの糖質が他の主食と比べて著しく低い訳ではありません。うどんと比べると、むしろ糖質が高めと言っても良いでしょう。
しかし、パスタはGI値はご飯やうどんより低い食べ物です。GI値は食後の血糖値の上昇しやすさを示す値で、高ければ高いほど血糖値が上がりやすくなります。
つまり、GI値の低いパスタは血糖値が急激に上がりにくいため、インシュリンの分泌を抑える事が可能です。結果、ダイエット中に食べても肥満になりにくい特徴を持つ訳です。
参照URL
https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=1_01088_7
https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=1_01064_7
https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=1_01039_7
オリーブオイルが急激な血糖値の上下を抑える
パスタの調理にオリーブオイルが使われる事も、ダイエットに適した特徴を生み出します。オイルを使うと太りやすいと勘違いしている方は多いです。
しかし、パスタの調理にオイルを使うと糖質の吸収を緩やかにする効果が期待出来ます。腹持ちも良くなるため、間食の防止にも効果的です。
オリーブオイルには血管系の病気を予防する健康効果も期待出来るので、数あるオイルの中でも特にお勧めとなっています。また、和風のパスタを作る際には胡麻油もお勧めです。
ダイエット中にお勧めのパスタの食べ方
食べても太らないとされているパスタであっても、食べ方次第でダイエットの成功率は変わってきます。あまり食べ方を意識せず、パスタなら食べても大丈夫と甘く考えているとなかなか成果が出ない事もあるでしょう。
一口にパスタと言っても様々な種類があるので、使われている材料などにも気を付けなければいけません。そのため、太らないための基本的なポイントを抑えておく事は大切です。
ダイエット中にお勧めのパスタの食べ方としては、以下のような事が挙げられます。
パスタの具材の量を増やして満足感を上げる
具材の量を増やして食事の満足感を上げれば、パスタそのものの量を減らす事が出来ます。パスタの量を物足りなく感じてついつい大盛りにしてしまう方には、特にお勧めの食べ方です。
ただし、増やす具材は何でも良い訳ではありません。高カロリー・高糖質の具材を選んでしまっては本末転倒です。
筋肉の材料となるたんぱく質と、糖質の吸収スピードを抑える食物繊維が多く含まれた物を選ぶようにしましょう。サラダチキンや野菜、きのこ類などを具材として加えれば、ダイエットにしっかり貢献してくれます。
他の料理の食べ合わせを考える
パスタのみを食べるのではなく、他の料理を一緒に食べる事もダイエットに役立ちます。肉料理や野菜サラダ、スープなどを一緒に食べれば、偏りがちな栄養バランスを整える事が可能です。
先に述べたようにたんぱく質や食物繊維が多く含まれる食材を使った料理を選ぶと良いでしょう。中でも赤身の肉を使った料理はお勧めです。
赤身の肉を使った料理を食べれば、脂肪の代謝で重要な役割を果たす栄養成分L-カルニチンを摂取する事が出来ます。
デュラム小麦の全粒粉パスタなど太りにくい種類を使う
パスタの種類にこだわる事もダイエットを成功させるために大切です。元々GI値の低いパスタではありますが、デュラム小麦の全粒粉パスタはさらにGI値が低いため太りにくい特徴を持ちます。
イタリア産のパスタは原材料にデュラム小麦を使っている事が多いので、生産国をチェックしてみるのも良いでしょう。全粒粉は小麦の表皮なども一緒に挽いているため、食物繊維が多い点も特徴の1つです。
具材や一緒に食べる料理に加えてパスタ自体でも食物繊維を摂取する事が出来ます。そのため、血糖値の上昇を緩やかなペースにする事が可能なのです。
パスタの代わりに低糖質の麺を使う
ダイエット中でもしっかり食べたいと考えているのであれば、低糖質のパスタ麺を使う事がお勧めです。糖質がカットされているので、通常より多くの量を食べても炭水化物の摂り過ぎになる事を防げます。
低糖質の麺はあまり美味しくないと思い込んでいる方もいますが、パスタらしい食感をきちんと楽しめる商品も多いです。スーパーマーケットやオンラインショップなど、様々な場所で購入出来るので探してみてください。
より糖質のカットにこだわるのであれば、しらたきなどを使う選択肢もあります。
ダイエット中にパスタを食べる際の注意点
パスタはダイエット中に食べても太りにくい特徴を持つ食品ですが、いくつか注意点も存在します。パスタそのものに問題がなくても、食べる量や絡めるソースによってはダイエットへ悪影響を及ぼす事があるからです。
そのため、パスタをダイエット中の食生活へ取り入れる前に、気を付けるべき点を把握しておく事をお勧めします。認識さえ出来ていれば解決はしやすい問題なので、まずは知識を得る事が大切です。
ダイエット中にパスタを食べる際は、以下のような点に注意しましょう。
パスタの量は1人前100gでは多い
一度に茹でるパスタの量の目安は一般的に1人前100gとされていますが、ダイエット中の主食としては量が多いのです。乾麺の状態では100gであっても茹でた後は240gになってしまいます。
GI値が低いとは言え丼飯1杯分と同じ重量を食べるのは、摂取するカロリー・糖質の総量から考えると避けておいた方が良いでしょう。ダイエット中にパスタを食べる際は1人前70gを目安にしてください。
この数値なら茶碗1杯分とほぼ同じ量で済みます。
絡めるパスタソースに気を付ける
パスタは絡めるパスタソースによってカロリー・糖質の量が大きく変動します。低GI・低糖質のパスタを選んだとしても、ソースで台無しにしてしまっては意味がありません。
チーズソースやクリームソースは含まれるカロリー・糖質が高い傾向になるので、ダイエット中は食べる事を控えましょう。お勧めはトマトソースを使ったパスタやペペロンチーノなどのオイルベースのパスタです。
冷やしたトマトを使った冷製パスタを食べるのも良いでしょう。
ダイエット中におすすめのパスタのレシピ
パスタをダイエット中に食べても大丈夫な事は既に分かっていただけたと思います。しかし、食べる頻度が増えるとレシピのマンネリ化と言う問題が出てきます。
どれほどダイエットに向いている料理であっても、同じような物ばかり食べ続けていると飽きてしまうでしょう。そのため、ダイエットに向いた具材を用いたパスタのレシピを複数覚えておく事は有用です。
ダイエット中におすすめするパスタのレシピを以下で紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
低糖質パスタを使った夏野菜のスパゲッティ
低糖質パスタを使ったダイエット向きのスパゲッティです。夏野菜を具材にする事で、ボリューム感を出す事に成功しています。
【材料】
食品 | 量 |
---|---|
低糖質スパゲッティ | 1パック |
トマト | 1個 |
ピーマン | 2個 |
茄子(小) | 1本 |
豆類 | 適量 |
ゴーヤ | 1/4本 |
ツナ缶 | 1缶 |
ニンニク | 1/2個 |
唐辛子 | 適量 |
塩 | 適量 |
オリーブオイル | 大さじ2 |
水 | 1/4カップ |
2.フライパンにオリーブオイルを入れ、ニンニクを加えて中火で狐色になるまで炒める
3.唐辛子を加えて炒める
4.ピーマン・ナス・豆類・ゴーヤを加えて塩を振り、中火で炒める
5.火がある程度通ったら、トマト・ツナを加えて軽く炒める
6.水を加えて水気がなくなるまで煮込む
7.塩で味を調えて、茹でた低糖質スパゲッティに掛ける
参照URL:https://cookpad.com/recipe/5779626
しらたきを使った糖質制限パスタサラダ
パスタの代わりにしらたきを使ったパスタサラダです。糖質制限ダイエットに向いている事に加え、フライパンなしで作れる手軽さも魅力となっています。
【材料】
食品 | 量 |
---|---|
しらたき | 約70g |
ほうれん草 | 約80g |
ウインナー | 5本 |
ゆで卵 | 1個 |
マヨネーズ | 大さじ2 |
ゆず胡椒 | 約2cm |
しょうが | 適量 |
2.ほうれん草・ウインナー・しょうがをスチームケースに入れ、電子レンジで1分加熱する
3.残りの材料を加えて和える
参照URL:https://cookpad.com/recipe/3074018
えのきやシメジを使ったあっさり和風パスタ
えのきやシメジと言ったキノコでボリュームアップした和風パスタです。ダイエットに向いた鶏胸肉も使っているので、ヘルシーなパスタを食べたい方にお勧めします。
【材料】
食品 | 量 |
---|---|
パスタ | 70g |
鶏胸肉 | 200g |
シメジ | 1パック |
えのき | 1パック |
その他のキノコ | 適量 |
塩 | 適量 |
醤油 | 大さじ3 |
顆粒だし | 大さじ2 |
水 | 適量 |
麺つゆ | 50cc |
2.鶏胸肉を1口大にカットする
3.キノコ・鶏胸肉を鍋に入れ、被る程度の水を加えて煮立たせる
4.煮立たせた鍋に醤油・顆粒だしを加え、10分ほど加熱して火を止める
5.パスタを規定通りの時間茹でてざるに上げる
6.フライパンに4を入れて加熱する(具材だけでなくだしも加える)
7.音が立ち始めたらパスタを加えて水分を飛ばす
8.パスタが茶色になったら麺つゆを混ぜ入れて火を止める
参照URL:https://cookpad.com/recipe/4132324
まとめ
パスタはご飯やうどんと比べてGI値が低いため、血糖値が急激に上がりにくく肥満になりにくい食品です。調理の際に用いるオイルにも糖質の吸収を緩やかにする働きが期待出来ます。
ダイエット中にパスタを食べる際は、具材を増やしたり他の料理と一緒に食べたりして満足感を得る事が大切です。通常のパスタの代わりにデュラム小麦の全粒粉パスタや低糖質の麺を使って、もっと糖質に気を遣う事もお勧めします。
1人前100gでは量が多いので、70g程度に抑えておきましょう。また、カロリー・糖質が高いチーズソースやクリームソースは避けた方が無難です。
ダイエット中に飽きが来ないようにするため、様々なレシピを参考にレパートリーを増やすのも良いでしょう。
この記事を書いた人
- 経歴
2012年 日本ボクシングコミッション(JBC)プロライセンス取得
ボクシング歴 17年
大手スポーツクラブにて約8年間勤務プロボクサー時代の経験と大手スポーツクラブでの経験を活かし、ダイエットの為の食事指導や筋力トレーニングの他、ボディメイク、コンディショニングなどを行う。