タンパク質は重要と言うけどダイエット中の摂取量は?食材・レシピも掲載
日本で糖質制限ダイエットが知られ、炭水化物の摂取量に注目する人が増えてきました。もちろん、炭水化物の量も大事なのですが、それと同じくらいたんぱく質というのも重要なのです。
そこで今回の記事では、なぜたんぱく質がダイエット中の食事で重要なのかその理由や効果的な摂取方法、摂取量の目安などを解説します。
この記事の目次
ダイエット中の食事でたんぱく質が不足するとNGな理由
ダイエット中の食事でたんぱく質が不足するのがNGだ言える理由は以下の3つあります。
- 筋肉量が減り、体型の見た目が悪くなるから
- 基礎代謝が減り、痩せにくく太りやすくなるから
- 満腹感が長く続かず、食べ過ぎを招く可能性が高まるから
ダイエット中の食事では、たんぱく質が不足しないように意識する必要があるのです。
ダイエット中のたんぱく質の摂取量や効果的な摂取方法
ダイエット中はたんぱく質が重要ですが、食事の中にたんぱく質が含まれていれば良いというわけではありません。ダイエットに対する良い効果を得るためには、摂取量やたんぱく質の種類、またその他の栄養素の組み合わせなども考える必要があるのです。
これから最低限理解しておきたいポイントを合計で7つご紹介します。
1日の必要量は体重の約1〜2倍のグラムで計算
ダイエットに対して良い効果をたんぱく質から得るためには、ある計算によって割り出す必要量を摂取する必要があります。その1日の必要量とは、体重の約1から2倍のグラムで計算した量です。
例えば、体重が60キロの人であれば、1日に60gから120gのたんぱく質を摂取するべきだと言えます。また、1倍で計算するか2倍で計算するかで摂取量に大きな違いが出ますが、これは運動の量で調節すると良いでしょう。
ジムでのトレーニングや激しいスポーツをする人は2倍、ウォーキングなどの軽い運動をする人であれば1倍前後を目安にしてみてください。
1食あたりの摂取量は20g前後を目安にする
ダイエット中の1日のたんぱく質摂取量は、体重の1倍から2倍が目安です。ただ、出来れば1食あたり20g前後を目安に摂取するようにしてください。
なぜなら、あまりにも多くの量のたんぱく質を1食で取ってしまうと、全て吸収出来ない可能性があるからです。もちろん、人によっては1日の必要量を3食で割ると、20gを大きく超える事もあります。
そのような場合は、間食などを取り入れて、出来るだけたんぱく質を細かく摂取するように工夫してみてください。
活動量が多い昼以降の時間帯や運動後のタイミングに摂る
ダイエット中のたんぱく質は正確に3食に分けて、バランスよく摂っても問題はありません。ただ、もし調節が可能であれば、活動する量が多い広いこの時間帯や運動後のタイミングに多めに取るようにしてみてください。
活動量が多い時にたんぱく質を十分に摂取しておくと、筋肉が分解される量を減らしたり、場合によっては多く合成出来るからです。また、朝は体の中から老廃物を排出するため、消化機能が十分に働いてない時間帯でもあります。
その時に、肉などでたんぱく質を多く摂取してしまうと、十分に吸収出来ない事もあるのです。たんぱく質は活動量が多く、消化・吸収もしやすい昼以降の時間帯などに多めに摂取する事をおすすめします。
動物性と植物性を2:1の割合で摂る
一般的にたんぱく質と言うと、肉や卵などの動物性のたんぱく質をイメージする人が多くいます。もちろん、この動物性のたんぱく質も大事です。
しかし、ダイエット中であれば、豆腐や納豆などの豆類や野菜、穀類などに含まれる植物性たんぱく質も摂取するべきだと言えます。
- 植物性タンパク質は脂質が少なく低カロリーであるから
- 体脂肪は蓄積されるのを防ぐ働きなどがあるから
植物性たんぱく質には、動物性と違うメリットがあります。動物性と植物性は2対1の割合で摂るとバランスが良いとされていますので、ぜひ意識してみてください。
炭水化物や脂質などとのPFCバランスやカロリーも考える
ダイエット中の食事ではたんぱく質の量や質も大事ですが、炭水化物や脂質を含むいわゆるPFCのバランスも重要だと言えます。なぜなら、いくら質の高いたんぱく質を多く摂取しても最低限の炭水化物がなければ、筋肉の分解を防ぐ効果などが弱まってしまうからです。
また、たんぱく質のみに意識が向いてしまって一緒に脂質を多く摂り過ぎてしまうと、カロリーオーバーになる事もあります。たんぱく質だけでなく、炭水化物や脂質とのバランスも考える必要がある訳なのです。
タンパク質と炭水化物、脂質の摂取量は以下のように計算出来ますので、1つの目安にしてみてください。
栄養 | 摂取量 |
---|---|
たんぱく質 | 体重×1から2倍のグラム数の量 |
脂質 | 1日の摂取カロリーの15から20%ほどの量 |
炭水化物 | 1日の摂取カロリーからたんぱく質と脂質を引いたカロリー分の量 |
野菜などの食物繊維や水も不足しないように摂取する
ダイエット中は、たんぱく質以外の炭水化物や脂質のバランス良く摂取する必要があります。そして、それと同じように、野菜などから摂取出来る食物繊維や水分、ビタミンやミネラル等も不足しないように合わせて摂取しなければいけません。
なぜなら、それぞれの成分が不足すると、以下のような悪影響があるからです。
不足栄養素 | 影響 |
---|---|
食物繊維 | 腸内環境が悪化する事で老廃物が溜まり、代謝が落ち込む |
水分 | たんぱく質を筋肉に運びづらく、また筋肉の合成等の化学反応が起きにくくなる |
ビタミン・ミネラル | 脂肪や糖質をエネルギーとして使いづらくなり、痩せにくい |
食物繊維や水分等が不足するとたんぱく質を摂っても、その効果を最大限に活かす事が出来ません。そのため、たんぱく質を摂取する時には野菜や水なども合わせて摂るように意識してみてください。
プロテインなどのサプリやコンビニの商品も効果的
ダイエット中に確保するべきたんぱく質の量は人によっては多く、肉や卵、豆などの食材から摂取するのが難しい事があります。また、食材を調理する時間が無く、たんぱく質を確保出来ないというケースも珍しくありません。
そのような場合におすすめしたいのが、プロテインなどのサプリやコンビニで販売されている商品です。プロテインなどのサプリは、水さえあればどこでも十分な量のたんぱく質を摂取出来ます。
また、コンビニで販売されている商品の中にも高たんぱくな商品が多くあるので、それを買えば時間が無くてもたんぱく質を摂取出来るのです。そのため、忙しく料理をする時間がない人や多くの肉や豆等を食べるのが難しい人はぜひ活用してください。
ダイエット中におすすめの高たんぱく質な食材・食品
ダイエット中におすすめしたい高たんぱく質な食材や食品をご紹介します。
・豆腐
・魚
・ビーフジャーキー
・卵
・ヨーグルト
それぞれの食材・食品がなぜおすすめ出来るのか、その理由について1つずつ詳しく解説していきます。100gあたりのたんぱく質や炭水化物、脂質の量などもご紹介します。
鶏肉
鶏肉がダイエット中のタンパク質補給におすすめ出来る理由は以下の3つあります。
- 100gあたりのたんぱく質の量がトップレベルに多い
- 皮を取れば、脂質や炭水化物がほとんど含まれないため低カロリー
- ダイエット中に不足しがちなビタミン類も豊富に含まれている
鶏肉のカロリーやたんぱく質などの栄養素の量は以下の通りです。
成分表(皮なしの鶏むね肉100gあたり)
成分 | 量 |
---|---|
エネルギー | 121kcal |
たんぱく質 | 24.4g |
脂質 | 1.9g |
炭水化物 | 0g |
豆腐
豆腐がダイエット中のタンパク質補給におすすめ出来る理由は以下の3つあります。
- 日本食と相性が良いので食事に取り入れやすい
- 脂肪をエネルギーとして使いやすくする働きを持つ大豆レシチンが豊富に含まれている
- 価格が安い
豆腐のカロリーやたんぱく質などの栄養素の量は以下の通りです。
成分表(絹ごし豆腐 100gあたり)
成分 | 量 |
---|---|
エネルギー | 62kcal |
たんぱく質 | 5.3g |
脂質 | 3.5g |
炭水化物 | 2g |
魚
魚がダイエット中のタンパク質補給におすすめ出来る理由は以下の2つあります。
- 鶏肉と同じように100gあたりのたんぱく質の量が多い
- 血流を良くしダイエットに良い影響をもたらす脂質が含まれている
魚のカロリーやたんぱく質などの栄養素の量は以下の通りです。
成分表(焼いた紅鮭 100gあたり)
成分 | 量 |
---|---|
エネルギー | 177kcal |
たんぱく質 | 28.5g |
脂質 | 6g |
炭水化物 | 0.1g |
成分表(焼いた真あじ 100gあたり)
成分 | 量 |
---|---|
エネルギー | 170kcal |
たんぱく質 | 25.9g |
脂質 | 6.4g |
炭水化物 | 0.1g |
ビーフジャーキー
ビーフジャーキーがダイエット中のタンパク質補給におすすめ出来る理由は以下の3つあります。
- 牛肉なのに脂質が少なめで、たんぱく質量が多い
- ビタミンや亜鉛などのミネラルが豊富に含まれている
- 持ち運びが簡単なので外出時の栄養補給などにも向いている
ビーフジャーキーのカロリーやたんぱく質などの栄養素の量は以下の通りです。
成分表(100gあたり)
成分 | 量 |
---|---|
エネルギー | 315kcal |
たんぱく質 | 54.8g |
脂質 | 7.8g |
炭水化物 | 6.4g |
卵
卵がダイエット中のタンパク質補給におすすめ出来る理由は以下の3つあります。
- 完全栄養食品と呼ばれるほど栄養のバランスが良い
- 黄身を取り除けば低脂質・低カロリーにも出来る
- ゆで卵にすれば、持ち運びも簡単
卵のカロリーやたんぱく質などの栄養素の量は以下の通りです。
成分表(生の鶏卵 100gあたり)
成分 | 量 |
---|---|
エネルギー | 151kcal |
たんぱく質 | 12.3g |
脂質 | 10.3g |
炭水化物 | 0.3g |
成分表(生の卵白 100gあたり)
成分 | 量 |
---|---|
エネルギー | 47kcal |
たんぱく質 | 10.5g |
脂質 | 0g |
炭水化物 | 0.4g |
ヨーグルト
最後にご紹介するダイエット中におすすめの高たんぱく質な食材・食品はヨーグルトです。ただし、おすすめ出来るヨーグルトは無脂肪タイプ、もしくはギリシャヨーグルトのみに限ります。
無脂肪ヨーグルトやギリシャヨーグルトがおすすめ出来る理由は以下の3つあります。
- 乳酸菌が腸内環境を整える事で代謝を良くする
- デザートの代わりになるので甘いものなどを食べたい欲を抑えられる
- 普通のヨーグルトよりも高たんぱくなのに低脂質でカロリーが低い
ヨーグルトのカロリーやたんぱく質などの栄養素の量は以下の通りです。
成分表(無脂肪無糖ヨーグルト 100gあたり)
成分 | 量 |
---|---|
エネルギー | 42kcal |
たんぱく質 | 4g |
脂質 | 0.3g |
炭水化物 | 5.7g |
ダイエット中におすすめの高たんぱく質レシピ
ダイエット中におすすめしたい高たんぱく質なレシピをご紹介します。
- チキン麻婆豆腐
- ダイエットピラフ
- ささみの梅しそチーズ
それぞれのレシピがおすすめ出来る理由や必要な材料、具体的な作り方について1つずつ見ていきます。ダイエット中の高たんぱく質なレシピのレパートリーを増やしたい方などはぜひ参考にしてください。
チキン麻婆豆腐
チキン麻婆豆腐がおすすめ出来る理由は以下の2つあります。
- 時短メニューなので忙しい時でも作れる
- 動物性たんぱく質と植物性たんぱく質が同時に摂取出来る
チキン麻婆豆腐を作るのに必要な材料と具体的な作り方は、以下をチェックしてください。
【材料】
食材 | 量 |
---|---|
豆腐(絹か木綿) | 150g |
しいたけ | 大1個 |
鶏挽き肉 | 100g |
みじん切りのネギ | 1掴み |
みじん切りの生姜 | 適量 |
ごま油 | 適量 |
料理酒 | 大さじ2杯 |
味噌 | 小さじ2杯 |
豆板醤 | 小さじ1杯 |
黒七味 | お好みの量 |
【作り方】
2.鶏挽き肉を入れて白く色が変わるまで炒める
3.みじん切りにしたしいたけとネギ、味噌、料理酒、豆板醤で味を整える
4.さいの目に切った豆腐を入れて蓋をし、2分前後煮詰める
5.お好みで黒七味をふりかけたら完成
URL:https://cookpad.com/recipe/5663808
ダイエットピラフ
ダイエットピラフがおすすめ出来る理由は以下の2つあります。
- キャベツライスを使うので糖質を最小限に抑えられる
- 具材をエビなどに変えたりして簡単にアレンジ出来る
ダイエットピラフを作るのに必要な材料と具体的な作り方、は以下をチェックしてください。
【材料】
食材 | 量 |
---|---|
サラダクラブのキャベツライス | 1袋 |
鶏胸肉のミンチ | 100g |
卵 | 1個 |
コンソメ | 1個 |
バター | 1かけら |
ブラックペッパー | 適量 |
【作り方】
2.キャベツライスと溶き卵を入れて軽く炒めながら混ぜる
3.バターと砕いたコンソメ、ブラックペッパーを入れ味付けすれば完成
URL:https://cookpad.com/recipe/5495383
ささみの梅しそチーズ
ささみの梅しそチーズがおすすめ出来る理由は以下の2つあります。
- ささみとチーズがメインなので糖質制限していても食べられる
- レンジで加熱するだけなので時間がない人でも作れる
※チーズに脂質が多めに含まれているので、夜以外の時間帯に食べるのがおすすめ
ささみの梅しそチーズを作るのに必要な材料と具体的な作り方は、以下をチェックしてください。
【材料】
食材 | 量 |
---|---|
鶏ささみ | 2枚 |
梅肉チューブ | 5g |
スライスチーズ | 2枚 |
大葉 | 2枚 |
酒 | 15g |
こしょう | 適量 |
【作り方】
2.ささみの厚みの半分まで包丁を入れて、薄く広げる
3.フォークで数カ所穴をあけて、こしょうと酒をふっておく
4.鶏ささみの上に梅肉、大葉、半分に折ったチーズの順番に乗せる
5.耐熱皿に乗せて、600Wで5分加熱したら完成
URL:https://cookpad.com/recipe/5819508
ダイエット中のたんぱく質を摂り過ぎは太る原因なので注意
たんぱく質がダイエットに良い効果をもたらすからと言って、食べ過ぎないように注意してください。なぜなら、たんぱく質を摂取し過ぎると摂取カロリーも増え、場合によっては逆に太ってしまう事があるからです。
また、腸内環境を悪化させ体内に老廃物が溜まる事で、代謝が落ち痩せにくくなる可能性もあります。このように、たんぱく質の摂り過ぎにはデメリットがあるので、必要以上の量を摂る事は避けるようにしましょう。
まとめ
ダイエットとたんぱく質に関する情報を簡単にまとめます。
【ダイエット中の食事でたんぱく質の不足がNGな理由】
- 筋肉量が落ち見た目や代謝が悪くなる
- 満腹感が続きづらく、食べ過ぎに繋がる可能性がある
【ダイエット中のたんぱく質の摂取量や摂取方法のポイント】
・吸収しやすくするため1食あたり20g前後のたんぱく質を目安にする
・出来れば運動量が多い昼以降の時間帯、もしくは運動後に多めに摂取する
・動物性と植物性を2:1の割合で摂取する
・PFCバランスを考えて、炭水化物や脂質もコントロールする
・食物繊維や水、ビタミン、ミネラル等も不足しないように注意する
・時間が無い時などはプロテインやコンビニの商品を活用する
【ダイエット中におすすめの高たんぱく質な食材・食品】
・豆腐
・魚
・ビーフジャーキー
・卵
・ヨーグルト(無脂肪かギリシャヨーグルトのみ)
たんぱく質の摂り過ぎはカロリーオーバーや代謝の低下等を起こし太る可能性がある
上記の通り、ダイエットにおいてたんぱく質は非常に重要な栄養素の1つです。これまであまり意識してこなかった人は、ぜひこれを機に必要な量を効果的な方法でたんぱく質を摂るようにしてもらいたいと思います。
この記事を書いた人
- 経歴
2012年 日本ボクシングコミッション(JBC)プロライセンス取得
ボクシング歴 17年
大手スポーツクラブにて約8年間勤務プロボクサー時代の経験と大手スポーツクラブでの経験を活かし、ダイエットの為の食事指導や筋力トレーニングの他、ボディメイク、コンディショニングなどを行う。