ダイエット中は有酸素運動が効果的?筋トレとどっちが良いのか
ダイエットをする時に大切なのが、どのような運動をするのかという点です。運動習慣は減量のために重要ですが、適当に身体を動かしているだけでは非効率的になってしまいます。
ダイエットの成果をしっかりと実感したいのであれば、有酸素運動をする事がお勧めです。有酸素運動はウォーキングやジョギングなど初心者でも始めやすい物が多く、様々な効果が期待出来ます。
しかし、有酸素運動について漠然としたイメージしか持っていないという方も多いでしょう。有酸素運動をするモチベーションを維持するためにも、具体的な運動メニューやメリットを把握しておく事をお勧めします。
有酸素運動とはどんな運動を指すのか、そして有酸素運動をする効果・メリットなどについてチェックしていきましょう。
この記事の目次
ダイエットに効果のある有酸素運動とは?
有酸素運動とは、その名前が示すように酸素を取り入れながら行う運動の事です。一定の負荷を掛けて長い時間行う運動が有酸素運動であると考えると分かりやすいかもしれません。
ただし、負荷を掛けると言ってもあくまで呼吸が出来て無理が出ない範囲です。酸素と一緒に糖質や脂肪を消費する事が出来るため、ダイエットに効果のある運動として知られています。
息を切らさない程度の運動をする習慣のある方は、既に有酸素運動を始めていると言っても良いでしょう。
代表的な有酸素運動の例
有酸素運動に分類される運動にはどのような物があるか、気になっている方もいるでしょう。ここまでの流れで大まかなイメージは出来ていると思いますが、具体例があればもっと分かりやすくなるはずです。
そこで、代表的な有酸素運動の例を以下で紹介します。いずれも手軽に始めやすい運動ばかりなので、ダイエットの最初に挑戦するメニューとして選んでも良いでしょう。
もちろん、そのまま最初に選んだ有酸素運動を続けていっても問題ありません。
ウォーキング
ウォーキングは誰でも簡単に始める事が出来る有酸素運動です。長い時間行う事も容易な運動なので、カロリー消費量を増やしたい場合に適しています。
通勤・通学の移動をウォーキングに変えるだけでも十分なダイエット効果が期待出来るでしょう。また、徒歩での移動距離が少ないのであれば、休日に近所の公園やウォーキングコースを歩く事もお勧めです。
ウォーキングは、身体への負担が少ない有酸素運動である事から世界中で人気が高くなっています。
ジョギング
ジョギングはウォーキングのように誰でも始めやすい有酸素運動と言えます。ウォーキングと異なる点は、歩く運動ではなく走る運動だと言う事です。
移動のペースはウォーキングより速く、両足から地面が離れる事もあります。走る運動と聞くとなんだか大変そうな印象を受けるかもしれませんが、あくまでも無理のないペースで走り続ければ良いので心配は要りません。
ジョギングと同じくカロリー消費量を増やしやすいので、ダイエットに役立ちます。
ランニング
ジョギングのペースを速くしていくとランニングになります。ただ、ペースが速いと言っても全速力で走る訳ではありません。
100m走のような短距離走の場合、有酸素運動ではなく無酸素運動に分類される事になるでしょう。有酸素運動のランニングは、マラソンやトライアスロンなどもっと長距離を走るイメージです。
ウォーキングやジョギングと比べると運動の負荷は大きいのですが、ダイエット中の有酸素運動として選択肢に入れておいて損はありません。
サイクリング(エアロバイク)
ここまで紹介した3つの有酸素運動と異なり、自分自身の身体に加えて自転車と言う道具が必要になるのがサイクリングです。サイクリングは無理のないペースで自転車を漕ぎ続ける事でカロリーを消費します。
屋外で自転車に乗るだけでなく、室内でエアロバイクを漕ぐ方法もあるのが特徴です。膝などに掛かる負担が少ない有酸素運動なので、ダイエットする時に、まず試してみるべき運動メニューの1つと言えます。
走る事全般が苦手でジョギングやランニングは無理と言う方でも、サイクリングなら気軽に始めやすいでしょう。
有酸素運動と無酸素運動の違い
ここまで有酸素運動の代表例を紹介してきましたが、有酸素運動が無酸素運動とどう違うのか知りたいと言う方もいるでしょう。両者の違いをきちんと把握しておけば、ダイエット中の状況に応じてピッタリのメニューを選びやすくなります。
無酸素運動は、強い負荷を掛けて短時間で行う運動の事を指します。瞬発性の求められる運動は、無酸素運動に分類されると言って良いでしょう。
酸素を全然使わないという訳ではありませんが、有酸素運動のように意識的に酸素を取り入れる事もありません。筋肉に貯蔵されている糖質をメインのエネルギー源とするからです。
無酸素運動は筋肉量を増やす効果が期待出来るため、基礎代謝を高めやすい点がメリットとなります。
ダイエット中に有酸素運動をする効果・メリット
ダイエット中に有酸素運動をする効果・メリットも、ぜひ抑えておきたいポイントです。有酸素運動をする事にどのような利点があるかを把握すれば、運動メニューに取り組む気持ちも高まる事でしょう。
運動するモチベーションは結果にも影響を与える事があるので、その意味でも軽視出来ません。また、有酸素運動がダイエットの目標に適しているかも判断しやすくなります。
ダイエット中に有酸素運動をする効果・メリットは以下の通りです。
基礎代謝を上げて消費カロリーを増やせる
ダイエットをする際、筋肉を鍛える事は非常に大切です。筋肉の成長は基礎代謝の上昇に繋がるため、毎日の消費カロリーを増やす事が出来ます。
筋トレと比べると効果は低いものの、有酸素運動も負荷が少し強めであれば筋肉を鍛える助けになるでしょう。特に下半身の筋肉は全身の中でも大きな割合を占めるため、ランニングやサイクリングなどの下半身を使う有酸素運動は有用です。
また、有酸素運動自体でカロリーを消費する事も可能なので、日々の運動習慣として身に付けば擬似的に代謝を上げる成果も期待出来ます。
皮下脂肪を落とすダイエット効果
無酸素運動は糖質を優先的にエネルギーとして使いますが、有酸素運動は時間経過に伴って脂肪を使うようになります。有酸素運動には脂肪を燃焼させる効果が期待出来るという事です。
つまり、有酸素運動は皮下脂肪などを落としたいという方にお勧めのダイエット方法と言えます。お腹の脂肪が気になったと言う理由でダイエットを決意する方は多いでしょうから、これは嬉しい効果です。
健康診断で脂質に関する数値が気になる方にもピッタリの効果と言えます。
適度な頻度の有酸素運動でストレス解消
適度な頻度で有酸素運動を行う事には、ストレス解消効果も期待出来ます。実際に有酸素運動を始めてからイラつく事が少なくなったと言う方も多いです。
ストレスは睡眠などダイエットで重要な要素に影響を与える事もあるので、解消出来る可能性がある事は評価出来るメリットでしょう。ただし、抱えているストレスの量や質は人によって異なります。
そのため、有酸素運動によるストレス解消の程度にも個人差が出てくる点に注意してください。
室内でダイエット出来る有酸素運動
ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動は始めやすいのですが、家の外に出る必要があります。天候に左右されるため、雨の日が続くと全然運動が出来ないという事もあるでしょう。
また、暑い夏の季節には熱中症のリスクもありますし、そもそも家の外に出るのが億劫だという方もいるはずです。そこで室内でダイエット出来るお勧めの有酸素運動を紹介します。
自宅でも可能な有酸素運動ばかりなので、ジムに通う時間がないという方でも問題ありません。
下半身に負荷を掛けるスロースクワット
下半身を鍛える筋トレとして有名なスクワットですが、より長い時間を掛ければスロースクワットにする事が可能です。身体を上下させる時に出来るだけゆっくりと動かす事を意識すれば、ダイエットに効果的な有酸素運動となります。
スロースクワットのやり方は、肩幅程度に足を開いて背筋を伸ばし、10秒ほど掛けて身体を下げていくという物です。太ももと床が平行な状態になったら身体を上げていく点も含めて、時間以外は通常のスクワットと同じようなやり方で構いません。
20回を1セットとして、3セットをそれぞれ1分の休憩を挟んで行いましょう。膝がつま先より前に出ないように運動する、途中で呼吸を止めないようにすると言った点がスロースクワットのコツです。
ジャンプロープがいらないエア縄跳び
ジャンプロープを使わずに縄跳びの動きをするエア縄跳びもお勧めの有酸素運動です。通常の縄跳びと異なり、道具を使わずに済むので思い立ったタイミングでダイエットを始められます。
エア縄跳びのやり方は、足を拳1つ程度広げた状態で踵を浮かせ、ジャンプと着地を繰り返すという物です。5分間の運動を1セットとして、3セット行う事が目安となります。
1セット終わるごとに1分間の休憩を入れる点は、スロースクワットと同じです。エア縄跳びをする際は、まずジャンプし続ける事を意識しましょう。
高さを出そうとして途中で運動が止まってしまっては元も子もありません。
器具不要で効率良く出来る階段昇降(踏み台昇降)
階段昇降運動や踏み台昇降運動も器具を使わずに行える有酸素運動になります。膝下より低い段差があればどこでも運動出来ますが、専用の踏み台を使う事も可能です。
背中を伸ばして腕を振りながら、右足で上る、左足で上る、右足で降りる、左足で降りると言う動作を繰り返すだけで手軽にダイエット出来ます。1セットあたり10分間の運動を、1分間の休憩を挟んで合計3セット行いましょう。
回数をこなして慣れてきたと感じる場合には、より長時間の運動をしても構いません。
狭い室内でも可能なフラフープ
狭い室内でも可能な有酸素運動として、フラフープがあります。フラフープを回せる広ささえあれば、狭い室内であっても有酸素運動する事が可能です。
フラフープを用意する必要はありますが、ダイエットする場合はそれほど高価な物でなくても問題ありません。くびれの位置でフラフープを5分間回し続けましょう。
右回りで5分間・左回りで5分間を1セットとして、合計3セットが目安です。5分運動するごとに2分間の休憩を取るようにしてください。
フラフープを回す事に慣れてきたなら、回す速度を早くしてみたり、本数を増やしてみたりするのも良いでしょう。
ダイエット中に有酸素運動をする際のポイント
ダイエット中に有酸素運動をする際は、時間や負荷の掛け方など様々なポイントに気を付ける事をお勧めします。ポイントを抑えた上で有酸素運動をすれば、何も考えずに運動した場合よりも成果を出しやすくなるからです。
しかし、どのような点に気を付ければ良いのか、いまいち分かっていない方も多いでしょう。そのため、まずは有酸素運動をする際のポイントを知る必要があります。
ダイエット中に有酸素運動をする際のポイントとしては、以下のような事が挙げられます。
有酸素運動は20分以上の時間を掛けないと痩せないのか?
有酸素運動のコツとして、20分以上の時間を掛ける事が知られています。しかし、20分以上の時間を掛けなければ痩せないのかと問われれば、その答えはNOです。
仮に有酸素運動をする時間が20分未満であったとしても、脂肪燃焼効果は期待出来ます。ただし、有酸素運動を始めたばかりの時間帯は糖質をメインに使い、時間が経つにつれて脂肪を使うようになるため、20分以上掛けた方が効率的な事は事実です。
有酸素運動に掛ける時間の余裕があるのであれば、可能な限り20分以上の時間を費やして運動をした方が良いでしょう。ただ、短時間の有酸素運動が無意味と言う訳ではないと言う事は覚えておきましょう。
ダイエットに適した有酸素運動時の心拍数
有酸素運動の効率を上げるには、ダイエットに適した負荷を掛ける必要があります。負荷の測り方は様々ですが、心拍数を参考にする方法は比較的分かりやすいでしょう。
ダイエットに適した有酸素運動をしたいなら、最大心拍数の50~65%程度の心拍数を維持する事がおすすめです。最大心拍数は以下の計算式で算出する事が出来ます。
最大心拍数=210-(0.65×年齢)
例えば、40歳であれば最大心拍数は196となるので、98~127程度の心拍数が目安となります。
有酸素運動だけでなく筋トレを組み合わせると効果的
ダイエットを成功させたいのであれば、有酸素運動だけでなく無酸素運動の筋トレを組み合わせると効果的です。筋トレは有酸素運動と比べて筋肉を鍛える効果が非常に高くなっています。
時間は掛かるものの、基礎代謝を上げる成果が期待出来るでしょう。長期的な視点でダイエットを考えた場合、これは見逃せないメリットです。
また、有酸素運動だけを続けていると身体がカロリーを消費しにくくなり、なかなか痩せないという事態になる場合もあります。そのため、有酸素運動と筋トレを一緒に行った方が良いでしょう。
有酸素運動と筋トレを行う順番はどっちを先にするべきか?
有酸素運動と筋トレの組み合わせがダイエットに有用である事は分かりましたが、どっちを先に行うべきなのかという疑問が残ります。運動の順番によってダイエット効果が変わるのであれば、より効果的な順序を選びたい物です。
おすすめの順番は、筋トレをした後で有酸素運動をすると言う流れになります。有酸素運動は身体を温めてからの方が効果的なので、筋トレで血行を促してから行うと良いでしょう。
そうする事で、有酸素運動の脂肪燃焼効果をより活用する事が出来ます。
自宅で有酸素運動をするならマシンにもこだわりを
自宅で有酸素運動をするなら、ダイエットに使うマシンにもこだわってみると良いでしょう。例えば、消費したカロリーや走行距離を表示する機能の付いたエアロバイクを使えば、正確なデータを取りながらダイエットを進める事が可能です。
また、エア縄跳びであればジャンプした回数などを記録出来るグリップ、フラフープであれば組み合わせ方で輪の大きさを変えられるフラフープなど、便利なアイテムが揃っています。ダイエットにある程度の費用を掛けるつもりがあるのなら、購入を検討してみる事がお勧めです。
ジムで有酸素運動する場合のおすすめメニュー
ジムで有酸素運動をする場合、最初に準備運動やストレッチをする事を心がけましょう。本格的に運動する前の準備を怠ると、怪我を引き起こしてダイエットが遅延する結果になりかねません。
その後、1時間ほど筋トレをしてから、有酸素運動へと移ります。筋トレは胸筋や背筋、下半身の筋肉など身体に占める割合が多い部位を主にトレーニングする事がお勧めです。
有酸素運動はランニングマシンやエアロバイクなどジムによって選択肢が様々ありますが、どの運動をする場合でも30分以上続ける事を目安にしてください。
ダイエット中の有酸素運動に関する注意点
効果やメリット、運動方法に加えて、ダイエット中の有酸素運動に関する注意点についても学んでおきましょう。注意点を無視して誤った方法でダイエットを続けていると、逆効果になってしまう場合もあるからです。
注意点と言ってもそれほど難解な物ではありません。一度目を通すだけでも十分に理解出来る内容なので、ぜひチェックしてみてください。
ダイエット中の有酸素運動に関して注意すべき点としては、以下のような事が挙げられます。
ダイエット中に有酸素運動は毎日行うべきなのか?
ダイエット中に有酸素運動をする場合の疑問として、毎日行うべきなのかという点を挙げる方は多いでしょう。どれくらいの頻度で行うのがベストなのかは、是非とも知っておきたい点と言えます。
結論から言えば、有酸素運動を毎日行う事はお勧め出来ません。毎日継続していると身体が有酸素運動の負荷に慣れて、痩せにくい身体になってしまうからです。
また、疲労によって怪我をするリスクも増大するので、有酸素運動を毎日の習慣にする事は避けましょう。2~3日に1回程度のペースで十分です。
運動なしのダイエットは避けるべき
ダイエットを考えている方の中には、有酸素運動や筋トレを全くせずに食事制限だけで減量しようとする人もいます。しかし、運動なしのダイエットは絶対に避けるべき行為です。
身体に必要な栄養素が不足するなど、健康的に減量する事が難しくなります。また、食事を元に戻した際にリバウンドしてしまう危険性も高くなるのです。
食事制限がダイエットに有用である事は確かですが、必ず有酸素運動や筋トレも同時に行うようにしてください。ただ、どちらかの運動を選ばなければいけないのであれば、有酸素運動よりも筋トレを強くお勧めします。
有酸素運動は筋トレと比較すると、筋肉が付かない運動だからです。既に解説した通り、ダイエット中に有酸素運動をする際は、筋トレを組み合わせて効率を上げるようにしましょう。
有酸素運動をするなら食事にも気を付ける
有酸素運動をするなら食事の内容にも気を付けるようにしましょう。摂取するカロリーを消費するカロリー以下にする事はもちろん大切ですが、食事に含まれる栄養成分も意識する必要があります。
例えば、有酸素運動と筋トレを組み合わせる場合、筋肉の材料となるタンパク質が重要です。脂身が少ない赤身の肉を食材に選んで脂質を減らすなど、細かい点にも注意しましょう。
また、ダイエット中に口寂しい時は無理に我慢するのではなく、おまつみ昆布などのおやつを食べる事をお勧めします。
まとめ
有酸素運動は、酸素を取り入れながら長い時間を掛けて行う運動です。具体的な例としては、ウォーキングやジョギングなどが挙げられます。
有酸素運動と無酸素運動の違いは、掛ける時間と負荷の強さです。無酸素運動には筋肉を鍛えやすいというメリットがあります。
有酸素運動は時間の経過に伴って脂肪を消費するようになるため、脂肪燃焼効果が期待出来る運動です。消費カロリーの増加やストレス解消と言ったメリットもあります。
スロースクワット・エア縄跳びなどの有酸素運動なら室内で行う事も可能です。掛ける時間が20分未満でも痩せない訳ではありませんが、20分以上掛けた方が効率的になります。
心拍数を目安に負荷を決めたり、有酸素運動の前に筋トレを行ったりする事も効果的です。消費カロリーなどを記録出来るマシンを用意するのも良いでしょう。
ただし、有酸素運動は毎日行うべきではありません。また、運動なしでのダイエットは絶対に避けましょう。ダイエット中の食事はカロリーだけでなく、栄養素にも気を配る事が大切です。
この記事を書いた人
- 経歴
2012年 日本ボクシングコミッション(JBC)プロライセンス取得
ボクシング歴 17年
大手スポーツクラブにて約8年間勤務プロボクサー時代の経験と大手スポーツクラブでの経験を活かし、ダイエットの為の食事指導や筋力トレーニングの他、ボディメイク、コンディショニングなどを行う。